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ひとりごと

Google STEP体験記

この記事は,情報系を勉強する女子大生 Advent Calendar 2017の2日目の記事として書かれました。

この記事では,私が今年の6月頃から夏休みにかけて参加していたGoogle STEPについてご紹介したいと思います。

Google STEPとは?

Google Summer Trainee Engineering Programの略で,Googleが行っている教育プログラムの一種です。情報科学又はその関連領域を専攻している学生を対象にしたもので,8週間の教育コース(Googleのエンジニアによる8回の講義)および,8週間程度のインターンシップ(選抜有り)から構成されています。

このプログラムはGoogle及びテクノロジー業界の多様性を高めることを目的にしており,テクノロジー業界でマイノリティとされている人々を積極的に取り込んでいこうという趣旨で行われているため,男性のエンジニアが多い日本では,ここ数年は女子学生の採用が多いようです。

ちなみにSTEPはGoogle Japanだけでなく,北米を除いた全世界で概ね行われているとのことです。

下記の紹介ビデオが参考になるでしょう。

www.youtube.com

なお,STEP以外にもGoogleには様々な学生向けインターンシッププログラムが用意されています。詳細は公式ページで確認してみて下さい。

応募〜合格するまでの流れ

どこでこのプログラムを知ったのか

私は大学でコンピューター系のサークルに入っているのですが(当時ほとんど活動に行っていませんでしたが),そこでのSlackでGoogleの他の夏季プログラム(おそらくGSoC)の情報が流れていたことがありました。その時にたまたまSTEPのページに辿り着き,これなら自分にもできそう,と興味を持ちました。

応募方法

※以下に書くことはあくまで2017年度のものです。今後の応募をお考えの方は,必ず最新版のSTEPの募集要項を自分で確認してください。

※なお2017年12月1日現在では,2018年度の応募は始まっていません。

応募の流れは,大まかに

  • 英語でのレジュメ(A4用紙1枚程度)を提出
  • 簡単なプログラミングのテスト(40分程度,基本的なプログラミング言語の書き方が分かっていれば大丈夫)
  • 志望動機の提出

だったと記憶しています。最初のレジュメの提出は4月の半ば頃だったので,3月ごろから準備をしておくと良いでしょう。レジュメを提出すると,その後のテストなどの案内がメールで送られてきます。合否は5月半ば頃に連絡された気がします。

また,募集要項を読むと分かるのですが,レジュメに書くべきことがいくつか提示されています。詳細はこちらの記事を読んでみて下さい。

教育コース

2017年度の教育コースは5月の最終週から,毎週金曜の5時〜8時に六本木のGoogle Japanオフィスで行われていました。大学によっては5限のある時間帯なので授業と被らないように注意したいですね。

授業の内容

授業では,Googleのエンジニアの方々が情報科学の基本的な事項についてお話してくださいます。座学ですが,どの講師の方々も語り口が面白く,聞いていて全く大学の授業のようなつまらなさを感じませんでした。授業中に与えられた問題についてグループでディスカッションをすることもあり,周りの受講者の方々とも仲良くなれます。ただ内容は本当に基本的だったので,ある程度プログラミングの経験がある人にとっては退屈かもしれません。

また,その内容に合った課題も毎週出ます。授業が易しめだったのに対してこちらは割と難しめなものが多いです。授業のレベルを遥かに越えているプロ各位が毎週素晴らしいものを提出していたので,コードを読んで勉強させていただいていました。他人のコードを真剣に読む,ということをしたのは私にとってはこの時が初めてだったかもしれません。

8時に授業が終わると,その後はGoogleの食堂で晩御飯が提供されます(ただし社員向けのサービスが終了している時間なので社食ではなく,お弁当などでした)。他の受講生や講師のエンジニアの方々と,ここで一緒にご飯をいただきながら喋ったりすることも毎週の楽しみの1つでした。

オフサイト

教育コースが始まってしばらく経った頃,上記の授業とは別に,1日がかりのオフサイトがありました。毎年内容を変えて試行錯誤しているようですが,2017年度は午前中に六本木本社でのワークショップを行い,午後にディズニーランドに遊びに行きました(すごい)。受講生同士が仲良くなる機会をこんな感じでGoogleが積極的に提供しようとしてくれていたのはとても良かったと感じます。

ちなみにワークショップの方では,エンジニアのソフトスキル(エンジニアとしての心得など)のお話や,インターンシップの面接に関するお話などがありました。

インターンシップ

前述の教育コースが半分終わる頃からインターンの面接の話題が出るようになり,7月初旬頃から面接が順次行われていきました。この面接を通過するとインターンをする資格を得られます。教育コースは全体で30人くらいいましたが,通過したのは10人強くらいだったと思います(比率は年度によって変わります)。

教育コースを受講した全員がインターンに行けるわけではないというのは(まあそれはそうなんですが),STEPの応募時には知らされていなかった気がするので注意ですね。

インターンは週5日8時間のフルタイムで,合格すると夏休みの殆どがそれに費やされることになります。面接の合否が分かったのが7月下旬に差し掛かったころで,夏休み開始前ギリギリだったので,直前まで予定が立たずにずっとやきもきしていました。

インターンではどこかしらのチーム(Map, Chrome, Search等)に配属され,プロジェクトを与えられて,それに取り組んでいくかたちになります。Googleのエンジニアがメンターとしてついてくださり,プロジェクトの完成を最後まで支えてくれます。

個人的に得たもの

情報科学へのモチベーション

私は大学1年の夏にふとプログラミングをやってみようと思い立ち,知人のアドバイスを得ながら少しずつ独学し始めました。その後,大学の秋学期に実践形式で競技プログラミングの問題を解く授業を取ったのですが,授業形式があまり面白く感じられませんでした。また,始めたばかりの頃に同じ知人の招待で学内のコンピューターサークルに入っていたのですが,そこの方々のレベルが意味不明なほどに高すぎて,できない自分に対する諦めのような感情が芽生え,プログラミングへの興味も薄れていました。1月に秋学期が終わってからSTEPの開始までの4ヶ月間ろくにターミナルを開かなかったくらいです(その中でなぜ応募しようと思ったのかは自分でも謎です…!笑)。

そんな体たらくぶりでしたが,STEPを通じて,情報科学が楽しいと心から思えるような瞬間を体験し,情報科学にある様々な分野の位置づけがわかってきたこと(STEP以前は競技プログラミングのようなものしか知らなかったので)によって,自分の努力の方向性が見えてきたり,新たに挑戦したいと思えることが出てきたりしました。

また,STEPを通じて技術力の凄まじい女子の方々と仲良くさせていただいたのも非常に良かったです。これは情報系の女子の友達・先輩がほとんどいなかった私にとっては大きいもので,色々な勉強系の活動やお勧めの本,その他諸々に関する情報を教えていただいたりしましたし,活躍ぶりを見ているだけでも刺激を受けました。

語学へのモチベーション

これはインターンでの話なんですが,私はGoogle Japanの中でも外国人率が高い(純日本人が1割くらい?)チームにいたので,当然全ての会話が英語でした。そこまで英語が苦手だったわけではないのですが,やはり複雑なことを英語で議論するのは難しかったので頑張らないとなあという気持ちになりました。

また,チームに中国出身の人や,そうでなくても中国語(普通話)が話せる人が多かったため,中国語も多少話せるようになりたいなあと思いました。英語が通じるので業務上はそこまで不便ではないのですが,食事の時などに周りが全員中国語が話せる人だった,というようなシチュエーションが結構あったり,あとメンターが中国人だったので中国語でコミュニケーションが取れたらもっと仲良くなれたのかなと思ったりしましたね。

今後どうやって過ごすべきか

また,インターン中に大学のOB, OGの方と結構お話する機会があったのですが,その中で今後の大学生活をどう過ごすべきか考えさせられることもありました。

同じ大学の近い専攻の出身で,現在エンジニアとして働いていらっしゃる女性の方のお話で,かなり心に残っていることがあるのでご紹介します。

その方も情報系の勉強を始めたのが大学(学科?)に入ってからで,学科に入りたての頃は周りの男子学生に比べてプログラミング経験が乏しくて苦労をし,一度は学科をやめようとまで思い詰めたそう。しかし,「1年間だけ本気で頑張って,それでも追いつけなかったら辞めよう」という決意の下,1年間必死で勉強したところ,いつの間にか周りを追い抜いていた。そこでこう気づいた。「学科に入る前からプログラミングをやっていると言っている人でも,基礎的な理論は理解せずに表面の楽しい部分だけ触っていたというだけの人が多い。理論は誰にとっても難しいものなので,経験が長いからと言ってその人が理解してきているとは限らない。だから諦めずに頑張ってください」と。

最後の言葉は言い過ぎな気もしますが,同じ大学出身の他のエンジニアの方々も,大学での教育のインパクトの大きさと,そこでのカリキュラムをきちんと消化することが大切さを強調していらっしゃるという印象を受けました。自分はまだまだ経験が浅く,実力が乏しいので何かと焦ってばかりいましたが,これからの専門課程での(その時点では私はまだ大学の前期教養課程にいました)勉強を着実にこなしていけば大丈夫,という気持ちになりました。

最後に

この記事を読んで一人でも多くの方にSTEPへの興味を持っていただけたり,これからSTEPに応募しようとしている方の助けとなれば良いなというモチベーションで書きました。質問などがあれば気軽にコメントしていただけたらと思います。

追記

参考までに,他のSTEP参加者の方が書かれた記事へのリンクも貼っておきます。